“心太”って?
“心太”は、ところてんと読みます。なぜ“心太”と書かれるようになったのでしょうか。
ところてんは、テングサを煮溶かし濾して、型に流し固めたものです。
古代にはテングサの性質から凝海藻(こるもは)と呼ばれていました。
“心”は“凝る(こる)”から変化し、また、こころも→心太(こころぶと)→こころてい→こころてん→ところてんと変化していったとか…。
「ところてん」の名前の由来は諸説があります。
テングサを今年も式根島の海水浴場内で見ることができました。紅藻類ですから赤っぽい色をして岩に付き、波に揺られてゆらゆらとしています。お土産品などとして売られているものは、漁師さんが船で沖合まで出て採っています。
採取したテングサは、水で洗い港付近に広げて天日に当てて乾燥させています。乾燥したら再び水にさらしてまた乾燥させるということを3回位繰り返します。赤っぽい色をしていたテングサは、だんだんと退色して白っぽくなります。さらした回数でテングサの色が変わるため、港は色とりどりになり、とてもきれいです。
ところてんが食用にされたのは奈良時代からで、平城京・平安京の市で売られていたとも言われています。ところてんと呼ばれるようになった江戸時代には、ところてん売りが「ところてんやぁ、かんてんやぁ」「ところーてんや、てん」などの売り声をあげて振り売りしていました。暑い夏に江戸っ子たちはところてんを食べて涼しさを求めていたのでしょう。
残暑厳しいこの時期、そして夏バテぎみで食欲の減退を感じた時に、冷たくてさっぱりと食べられるところてんはいかがでしょうか。
ちなみに、ところてんを乾燥させて、水分を取り除いたものが寒天です。
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■ところてんの作り方
・材料 テングサ 50g
酢 大さじ1
水 3リットル
酢醤油
からし
・作り方
1 乾燥したテングサを洗い、水に1時間以上浸す。
2 大鍋に①と水、酢を入れて沸騰させ、ふきこぼれない程度の火加減で30分加熱し、
さらに静かに沸騰を続ける程度の火加減で30分加熱する。
3 ②をふきんなどで濾し、バットなどに流し、冷やし固める。
4 ところてん突きで細くする。
(ところてん突きが無い場合は包丁で細かく切って下さい。)
5 お好みで酢醤油、からしを添える。
(関西では黒蜜をかけて食べます。)