白菜とオレンジ白菜
鍋物料理がおいしい季節になりました。スーパーでも白菜が並ぶようになりましたね。
白菜は、アブラナ科、原産地は中国北部で唐菜(とうな)とも言います。西洋ではキャベツが多く使われますが、東洋では白菜が多く使われ、冬野菜の代表です。
日本への渡来は、意外ですが新しく、明治8年に東京で開かれた博覧会に清国から出品され、それを栽培しましたが、結球しませんでした。
その後、日清・日露戦争に行った兵士が、大陸で食べた白菜が気に入り、種を持ち帰り、栽培しましたが、なぜか、日本で栽培した白菜の種では、次に植えても結球した白菜にはならなかったそうで、大正時代になっても、白菜の種は中国から輸入していたそうです。
なぜ、日本の種では白菜にならなかったのでしょう。
もともと日本には、アブラナ科のかぶや小松菜、野沢菜などが栽培されていたため、これらの花粉が、蝶などの昆虫によって運ばれ、白菜と混じりあってしまい、結球した白菜になれなかったのです。
そこで、宮城県の陸から離れた島で栽培したところ、日本で栽培した白菜の種から、結球した白菜が採れるようになり、今では、茨城や長野県などでたくさん収穫されています。
白菜からは、冬に不足しがちなビタミンCやカリウムやカルシウムなどのミネラルが摂取できます。加熱することで、かさも減りますので、たくさん食べられますね。
最近では、中がオレンジ色のオレンジ白菜も店頭で見かけます。
オレンジ白菜の場合、通常のポリフェノールに加えポリフェノールよりも多い量のシスリコピンというカロテノイド色素の仲間が含まれているのが特徴です。青臭さが白菜より少なく、生食にも向きます。彩りを考えて、鍋物に使用するときれいですね。