五節句の一つ“七夕”
♪笹(ささ)の葉さらさら 軒端(のきば)に揺れる
お星さまきらきら 金銀砂子(きんぎんすなご)
…という歌で親しまれている“七夕”ですが、最近は笹竹を取りに行くところもなく、
七夕飾りをしている家は少なくなってきてしまいました。
そして“七夕”は、もとは旧暦の7月7日に行われた行事ですから、新暦の現在は
梅雨の真っ只中で、なかなか天の川も見ることができず残念ですね。
(仙台のように1ヶ月遅れの8月7日頃に七夕祭りを行う地域もあります。)
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“七夕”は、子どもたちには織り姫と彦星のお話で知られていると思いますが、日本では
古くから、麦の収穫、なす・きゅうり・みょうがの成長を神に感謝する「収穫祭」と、
お盆に祖先の霊を迎える前の禊(みそぎ)として、棚機女(たなばたつめ)と言われる
娘が川辺の機屋(はたや)で、祖先の霊に着せるための衣服の布を織って一夜を過ごし、
穢(けが)れを祓(はら)う行事が7月7日に行われていました。
そこに中国から、天の川にさえぎられた<牽牛(けんぎゅう)星:ワシ座のアルタイル>
と<織女(しょくじょ)星:コト座のベガ>が、年に一度だけ会うことができるという
言い伝えの「星祭り」と、織物の上手な織女星を祀(まつ)って、裁縫の上達を祈った
という「乞巧奠(きっこうでん)」という風習が入ってきました。
(習字の上達を祈るというのは後に加わったようです。)
これらの日本古来の風習と、中国の風習が合わさり、心身を清め、魔よけの力を持ち
神聖なものとされていた笹竹を立て、「陰陽五行説」に基づいた青・赤・黄・白・黒の
5色の短冊に願い事を書いて笹竹に飾り、翌日に笹竹を川や海に流して穢れを洗い流す
という「七夕送り」「七夕流し」という風習となったそうです。
七夕飾りに野菜の飾りがあるのは、収穫祭の名残です。
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“七夕”の食べ物としては特に決まりは無いようですが、織物の糸や天の川に見立てた
“そうめん”の料理が多いようです。おくらの小口切りで星型、ピーマン、にんじん、
パプリカ、しいたけなどで短冊の色を表すなど、見た目にも楽しい、色とりどりの
料理を作ってみてはいかがでしょうか。