女の子の成長を願うひな祭り
五節句のひとつである“上巳(じょうし)の節句”は“桃の節句”とも言われますが、
現在では女の子の成長を願う行事となりました。
古代中国では上巳に川で身を清め不浄を祓(はら)う行事がありました。
これが日本に伝わり、紙で作った人形(ひとがた)で身体をなでてケガレをおとし、
川に流す風習ができました。紙で作られた人形はその後“流しびな”となり、しだいに
流してしまうにはもったいないほどの精巧な“ひな人形”となり、
現在のように家の中に飾る“ひな人形”となりました。
<ひな祭りの食べ物>
◆ 菱餅
諸説ありますが、赤色は邪気を祓い、白色は純潔・清浄を表し、
紅白の色合わせはおめでたい色とされています。
緑色は草も萌える大地を表し健康・長寿を願っています。
菱餅となったのは江戸時代からで、それ以前は薬効成分のある
よもぎを使った草餅でした。
◆ ひなあられ
ひなあられには4色あります。桃色は春・緑色は夏・黄色は
秋・白は冬を表し、一年の健康を願っています。
◆ 蛤
貝合わせの遊びにも使われるように、対となる貝殻としか組み合わせることが
できないので夫婦和合の象徴とされ、良縁に恵まれることを願っています。
◆ 白酒
もともとは桃の花をお酒に浮かべた“桃花酒(とうかしゅ)”でしたが、
江戸時代より白酒が飲まれるようになりました。
桃は生命力や不老の象徴とされていました。