若葉の生命力をいただく七草粥
「七草なずな、唐土の鳥が、日本の土地に、渡らぬ先に、トトンがトンよ…」
うろ覚えではありますが、祖母がこのような歌を歌いながら、青菜を刻んでいました。
1月7日、五節句のひとつ“人日の日”の朝に食べる“七草粥”を作る時に歌われる“鳥追い
歌”です。歌の歌詞は、日本全国の各地域により様々なようです。農作物の害鳥を追い
払うため、また渡り鳥が疫病をもたらすのではないかという心配から、まな板の上で
七草を叩きながら歌われたものです。
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“七草粥”を食べて一年の無病息災を願う風習は、江戸時代に広まりました。
それぞれの七草には効用などがあります。
【せり】
良い歯ごたえと香りがあり、鉄分が豊富に含まれているので、貧血予防。
【なずな】
別名“ぺんぺん草”。食用、また、止血、止瀉剤、赤痢、痛風などの
薬用として使われています。
【ごきょう】
学名“ハハコグサ”。昔は若芽を草餅に使っていたようです。
せき、のどの痛みを和らげるのに使われていました。
【はこべら】
学名“ハコベ”。たんぱく質やミネラル等の栄養素に富んでいるので、民間では
産後の浄血薬、催乳薬、また解熱、利尿作用に使われていました。
【ほとけのざ】
学名“コオニタビラコ”。若芽が食用にされていました。
薬用には、民間で鎮痛などに使われていました。
【すずな】
“かぶ”のことで、葉にはビタミンCやβ-カロテンが豊富なので美肌作りに
役立ちます。
【すずしろ】
“大根”のことで、葉には強い抗酸化力をもつβ-カロテンやビタミンCが多く、
免疫を高めて丈夫な体を作ります。
“七草粥”には、お正月のごちそうで疲れた胃腸の回復と、寒い冬に不足しがちな青菜の
摂取という効果がありますが、若菜の生命力をいただくという意味もありました。
さっぱりとしたお粥を作って、若菜のパワーを召し上がってはいかがでしょうか。
<七草粥>
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材料(2人分)
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米 1/2カップ
水 2.5カップ
七草 適量
塩 少々
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作り方
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米を研いで鍋に入れ、水と塩を加えて火にかけ、沸騰したら弱火にして30分位煮る。
(かき混ぜ過ぎると、粘りが出でしまいます。)
細かく刻んだ七草を加えて、蓋をして3分位蒸らしてできあがり。
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お子様や七草のあくや苦味が苦手な方は、熱湯に少々塩を加えてさっと茹で、
水に取りあく抜きしてから刻んで加えると、食べやすくなります。